サラ金は社会に不必要な存在で、撲滅するしかないものです。85年当時は、人の家のドアに赤ペンキで「金返せ!眼売れ!死ねバカ!」と書くのが、当たり前のような時代でした。当時、サラ金の金利(年率)は100%もありました。返せなくなるのは当然のシナリオでした。そんなサラ金の一部が、今日、メガバンクの子会社になったり、大手サラ金をやっているのですから、世も末というべきでしようか。
当時も自殺者が頻発し、『貸金業規制法』が制定されました。しかしながら、手を変え品を変えての詐欺商法で、多重債務者を乱造する事に規制はかかりませんでした。一昨年の年末の臨時国会で、『貸金業法』の強化が行われ、来年6月には違法金利の営業に罰則が適用されます。
とは言いながら、許されている『利息制限法』の金利は、昭和29年に改定されたままです。その時の銀行金利は10%程度で、現代の100倍程度の時代です。15~20%の『利息制限法』の金利も、超高金利には違いありません。この金利で営業するサラ金は、高利貸しに違いはありません。
高利貸しのサラ金に、お金のある人が借りるわけはありません。収支不足に陥った人が借りると、借りた以後の収支は一層悪化するのは、算数の計算でも明らかです。サラ金が社会的に役に立つ場面は皆無なのです。無用の長物でも、儲かれば何でもやるのが現代。いやはや、不道徳の塊みたいなものです。
今でも「借りる奴が悪い!」という人がいます。確かにサラ金に借金して、良いことなどある訳がないのです。では、クレジットカードを何枚も財布に入れている人を見ますが、この人たちも「借りる奴」には違いがないのです。弁護士会が依頼者から報酬を受け取るのに、クレジットカードでの受取を拒否しているのをご存知でしょうか。クレジットカードは多重債務の入口であるのは、相談活動をしている者の常識です。だから、弁護士会はクレジットの受取を拒否しているのです。
クレジット会社のキャッシングは、サラ金そのものなのです。人が良いのは害悪ではありません。そこにつけ込むのが詐欺師です。サラ金は言ってみれば詐欺師集団です。借り手に損を与えるのに、あたかも助けるかの風を装います。警察官が言っていたのを思い出します。「詐欺師はプロ、騙されるのは素人だから、騙されるのが当たり前なんです。」また、こうも言っていました。「私は絶対に騙されない、という人が一番騙されやすいのです。」実は「借りる奴が悪い!」という人が、多重債務者の二次被害にあったケースが多いのも事実です。結局、間接的にサラ金に騙され易い人なのです。
さて、『徳政令』と言う言葉をご存知でしょうか。鎌倉・室町時代からある為政者のする政策の一つです。現代にも『破産』だとか『会社更生』、または『個人再生』といって、借金を棒引する制度があります。『徳政令』というのは、社会全体の借金の棒引をする事です。江戸時代にも高利貸しから、江戸に住まざるを得ない御家人等が、借金に首が回らなくなり、『徳政令』が行われたと言う事です。
高利貸しは高金利でぼろ儲けをして、蔵には有り余る大判小判があふれていた事でしょう。一方、スッカラカンの御家人は、逆様にしても鼻血も出なかった事でしょう。ですから、高利貸しが貸し付けたくとも、誰も借りない状態があったのは間違いありません。そこで公方様(将軍様)が『徳政令』を発して、高利貸しからの借り手の借金を棒引したのです。
その辺の詳しい時代考証は杉浦日向子(江戸風俗研究家)さんに聞くしかないのですが、若くしてお亡くなりになったので、聞くことは出来ません。『徳政令』で、誰が得をしたのでしょうか。借り手であることは間違いなくとも、借り手が正常な社会活動に復帰する事で、経済が活性化されます。公方様も得をした1人でしょう。何と言っても、また高利貸しが流行って、高利貸しが最も得をしたというのが実態である事は間違いありません。
鼻血の出ない借り手に、借金の棒引をしてやりたくとも、他の高利貸しがやらない棒引を、自分だけがやると言う者はいなかったでしょう。だから、経済が疲弊して、どうにもならないのですが、高利貸しに解決は無理のようです。そこに公方様の政治力が必要なのです。公方様の『徳政令』で、『三者一両得』と相成り、目出度し目出度し。
現代日本社会を見ると、資本金10億円以上の大企業だけで、内部留保(税金のかからない純利益)は230兆円とも270兆円とも言います。大企業は超メタボ状態である事は、誰の目にも明らかな事です。『派遣切り』が社会問題になりましたが、昨年秋から今年の春にかけて、40万人もの失業者を特定の大企業だけで発生させています。これらの派遣社員を全員、正社員にして年収500万円を与えても、たった2兆円にしかならないのです。何と内部留保の1%にもならないのです。
大企業にとって、雇用を維持する事など、爪の垢ほどのことでしかないのです。では何故、競い合って失業者の乱造をするのでしょうか。結局、派遣社員の事を、我社だけが護っては、他社に不利になってしまうと言うのです。
現代企業決算は、株式の時価で計算されることになりました。額面の何倍、何10倍にもなっている株価は、まさに株式のバブルそのものです。実態のない駆け引きで吊り上げあっているバブルの頂点で、綱渡りしている状態です。株価が少し下がるだけで、その企業資産は大きく減少します。四半期ごとの決算で、大きな資産減少を報告しなければなりません。そうすると、更なる株価の下落を生み、転落する事になるのです。
結局、首切りの必要性はなくとも、対前年度比で、純利益の向上を粉飾する為に給与額を圧縮する必要があるのです。単にそんな別の理由から、何の落ち度も必要性もない、派遣社員を解雇するのです。
まさに大企業は、メタボの身体で、もう食べられないと言う状態で、隣のメタボがまだ食っていると言うだけで、上を向いて口をあけ、無理やり食べていると言う状態なのです。無駄食いを止め、適度な運動をし、スリムな身体になって健康を取戻す。誰もが考える理想を、大企業は自ら取戻す能力を欠いているのです。
今、昔の経営者が怒っています。「今の経営者はサラリーマンだ。経営者の能力もプライドもない。従業員は会社の財産だ。2年努力して、経営の建て直しが出来なかったら、頭を下げろ! 今のサラリーマン経営者は、1カ月の業績で首を切っている。首を切るなら自らの腹を切れ。」松下幸之助や本田宗一郎が生きていたら、烈火の如く怒ったであろう。
この現状で、公方様の『徳政令』を発するのは、政治の力です。ところが、与党は言うまでもなく、政権交代を唱える野党も、何の手も打てないでいます。メタボの企業に、更に栄養ドリンクを提供しているのが実態です。それもそのはず、大企業から政治献金をもらっているのですから、メタボ怪獣の飼育員をしているようなもの。公方様の足元にも及ばない。
醜いメタボ怪獣となった哀れな大企業に、フィットネスクラブを提供して、大企業を救済して、社会全体を正常化できるのは、企業献金をもらってない政治家にしかできない事です。二大政党などと、メタボ怪獣飼育員を激励している評論家には、早々退場願いたいものです。
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